スペイン代表とドイツ代表がうまくいっていない要因を探ってみた (5ページ目)

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倉敷 そうですね。では次に、スペインの話をしたいと思います。「駄目だった10の理由」など、いろんなかたちで報道されていたようですが、これは小澤さんに聞くべきですね。バレンシアにいらっしゃる小澤さん、スペインの敗退についてはどんな風に分析されていますか?

小澤 ひと言、直前の監督交代に尽きると思います。すべてぶち壊しになって、ゼロからのスタートでしたから、さすがにW杯をほぼ監督無しの状態で選手たちだけで戦うというのは厳しい部分がありましたね。

倉敷 はい。まずそれがいちばんの理由だとして、その他にスペイン自体も研究されてしまっていたとか、あるいはフェルナンド・イエロの采配について、小澤さんが何か気になったことはありましたか?

小澤 あのタイミングでフェルナンド・イエロが監督になりましたが、彼はオビエドで1年だけ監督経験があったとはいえ、監督として成功はしてなかったわけです。あくまで2部で1年間だけ指揮して、すぐに監督を退いて協会のスポーツダイレクターに戻っていましたから、さすがに厳しいですよね。

 それと、ロペテギ監督がこの3年間で積み上げたものを、イエロ自身が近くで見ていなかったことも大きいと思います。そういう意味でいうと、いきなり監督を引き受けて少し可哀そうな部分もありました。だからこそ、戦術的な部分や交代カードの切り方、あるいは選手交代が遅かったというところは、少しかばってあげる必要はあると思います。

 それよりも、あのタイミングでレアル・マドリーの監督になるという決断をしてしまったロペテギ監督、それ以上にレアル・マドリーの戦略がスペイン代表の敗因になったのではないかと思っています。

倉敷 レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長ですね。

小澤 会長の意向によって、スペイン代表がはめられたという風に僕は解釈しています。

倉敷 中山さんはどんな風に見ていますか?

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