プレミアリーグがあるからこそ存在する、イングランド代表の課題とは

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倉敷 中山さん、ロシアのサイクルはこれからも続きそうですか?

中山 もちろん今大会はできすぎかもしれませんが、僕が現地で感じたのは、ロシアは僕らが思っているよりもサッカー大国だということでした。たとえば、テレビではワールドカップのひとつひとつの細かいプレーを検証したり、VARのシーンだけを集めて分析してディベートしていたり、ドリブルのシーンだけを集めて誰がいちばん優れたドリブラーなのかをランキングしたりとか、とにかくスポーツチャンネルでは3、4時間のワールドカップ番組を連日放送していました。歴史があるので当然かもしれませんが、あらためて「ロシア人はサッカーが好きなんだ」ということを実感しましたね。

倉敷 やっぱり僕もロシアに行けばよかったな(笑)。

 では、続いてイングランドに話を移しましょう。小林君、イングランドがこんなに勝ち上がったのは久しぶりのことですね。

小林 本当ですね。でも、少し前から始まった強化策が実を結んだところと、アンダー世代の代表を指揮していたギャレス・サウスゲイト監督をA代表監督にしたことも影響したと思います。イングランドも、フランスと同じように2年後、4年後が最大のターゲットだったと思いますが、今大会はとてもいい下地になったのではないでしょうか。

倉敷 特に面白かったのは、イングランドが上のラウンドに勝ち上がっていった際、対戦相手にはプレミアリーグでプレーする攻撃的な選手が多くいたということでした。イングランドが3位決定戦で負けたベルギーなどは、まさにオール・プレミアリーグみたいなチームで、思わずプレミアリーグを見ているような気分になってしまいました。

小林 そういうなか、ハリー・ケインが大会得点王を獲得したことは、イングランドの未来にとってよかったかもしれないですね。

倉敷 たしかにね。小澤さんはイングランドをどんな風に見ていたでしょうか?

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