イニエスタの後継者は誰?新シーズンのバルサは「メッシありき」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 では、イニエスタの抜けた穴はどうだったのか。

 イニエスタのポジションは、前半はラキティッチ、後半はコウチーニョ、そして交代で出場したアルトゥールが担っている。

 ラキティッチはロシアW杯準優勝で自信を得たのか、効果的にパスを散らし、試合を通じて高いレベルを誇った。一方でコウチーニョはボールを持ちすぎ、いたずらに流れを悪くしていた。しかし本来の左FWとしては、フィニッシャーとしての力量を見せ、2点目を叩き込んでいる。8番を受け継いだアルトゥールは15分程度の出場時間だったが、心地よいリズムを作った。現時点では、彼がイニエスタの後継者にふさわしい。

 ただ、グアルディオラが「プレースタイルは受け継ぐべきだが、過去の選手と同じでは通用しない」と語っているように、アルトゥールはイニエスタのプラスアルファを見せられるかが問われる。コピーでは意味がない。それはこの日、ベンチ外で、バルサBの試合に出場して活躍したMFリキ・プッチも同じだ。

 バルサのような絶対的王者は、立ち止まることができない。常にチームを革新させる宿命を背負う。試合終盤に出場したビダルは、「バルサに合わない」と言われるが、そうした選手を取り込むことでチームが進化する部分もある。

「ポグバ獲得? まだなにが起きるか分かりません」

 バルサのスポーツディレクター、ギジェルモ・アモールは、フランス代表MFとの交渉を否定していない。ポール・ポグバはバルサのカラーに合わないが、強化は清濁併せ呑むということか。マーケットが閉鎖する8月31日までは流動的だ。

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