「ロナウドブーム」のユベントスは株価もチケット代も急上昇中! (3ページ目)

  • 利根川晶子●文 text by Tonegawa Akiko photo by Getty Images

 涙を呑んだ者もいる。マッティア・カルダラは24歳の有望なDFで、すでに今年の1月に、新シーズンはユベントスでプレーすることが決まっていた。無事入団会見も済ませ、「ロナウドとともにプレーするなど夢のようだ」と言っていたのに、突如ミランへ売られることになってしまった。より強力になったユベントスにボヌッチが帰ることを望み、ユベントスもボヌッチの帰還を願ったことから、カルダラはゴンサロ・イグアインとともにトレードの対象となってしまったのだ。

 パリ・サンジェルマンに移籍したジョンルイジ・ブッフォンからキャプテンマークを受け継いだジョルジョ・キエッリーニは「カルダラはロナウド移籍の最大の犠牲者だ」と同情する。さらにキエッリーニは過熱気味のロナウドブームにも一石を投じた。

「ロナウドの加入はチームに新たな興奮をもたらしている。しかし、試合は皆で勝つものだということを忘れてはいけない」
 
 周囲の熱狂とは一線を画し、ロナウド自身は落ち着いてプレーする準備ができているようだ。トリノ郊外の丘の上に立つ豪邸は5000平米の森に囲まれ、建物の広さは800平米。トレーニングマニアの彼のために屋内プールやジムも完備されている。

 アメリカ遠征を行なっていたユベントスはトリノに戻り、8月8日からは新シーズンに向けてのトレーニングが本格的にスタートした。ロナウドもチームに溶け込んでいるようで、その周囲では笑いが絶えない。練習でパスをミスしたロナウドを、パウロ・ディバラとドウグラス・コスタがからかって踊り、ミニゲームではロナウドにゴールさせまいと、ダニエレ・ルガーニがゴールを動かしてしまうシーンが見られた。

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