仏リーグは今季もPSGが本命。唯一の不安はネイマールと新監督の相性か (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 毎シーズン主力選手を引き抜かれているモナコは、今夏もMFファビーニョ(現リバプール)とMFトマ・レマル(現アトレティコ・マドリード)の主力ふたりを放出。レオナルド・ジャルディム監督にとっては大きなダメージとなったが、逆にふたりの売却やムバッペの買い取り金などを含めた約370億円という軍資金を元手に、ロシア代表MFアレクサンドル・ゴロビン(約39億円/前CSKAモスクワ)、リヨンの育成の至宝とされる16歳のFWウィレム・グベル(約26億円)など、将来有望な若手の引き抜きに成功している。

 たしかに、現状ではPSGに対抗するには厳しい戦力ではあるものの、若手を育ててチームを強くすることに長けたジャルディム監督にとっては、チームの立て直しはお手のもの。昨シーズン台頭したMFロニー・ロペス、FWケイタ・バルデ、MFユーリ・ティーレマンスらのように「成長による補強」ができれば、シーズン後半戦に成績が浮上するパターンを再現できそうだ。

 一方、キャプテンのMFナビル・フェキルの引き抜きの噂が絶えないリヨンは、その行方次第ではあるものの、ほぼ現有戦力で新シーズンに臨む可能性が高まっている。

 とはいえ、このチームには昨シーズン大ブレイクを果たした20歳のMFフセム・アワール、21歳のMFタンギ・エンドンベレに加え、すっかりチームのヘソとなった21歳のMFリュカ・トゥサールなど、伸び盛りの若手が多い。しかも、毎年のように下から新しい若手が台頭する好循環が存在するだけに、あらためて大金を投じて補強をする必要はない。

 指揮を執るブルーノ・ジェネシオ監督も彼らを軸にチーム作りを行なっており、マリアーノ・ディアス、メンフィス・デパイ、ベルトラン・トラオレといったFW陣が昨シーズン同様の爆発力を継続できれば、国内で上位を狙うには十分な戦力と言える。問題があるとすれば、CLとリーグ戦を平行して戦うことで若い選手たちが集中を切らしてしまう可能性があるという点だろうか。そういう点では、ジェネシオ監督の手腕にかかる部分は大きい。

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