J指導者がスペインのW杯敗退で痛感した「監督に大金をかける必要性」 (5ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Sano Miki

 ロシアは満員の観衆のなかでスペインと戦えて、スペインは悪役のデストロイヤー的な役回りでしたよね。そのなかでしっかりと勝利することができた。スペインは余裕ぶっていたけど、それ以上のものはなかった。スタメンのチョイスを含めて、90分で勝つプランニングという点で、選手に依存する形が大きかったと思います」

――最後まで監督交代悪影響を払拭できなかったのですかね?

「リーダー不在で無秩序になったときに、バラバラになりましたよね。逆に日本人だったら、無秩序になってもなんとかしたと思います。

 スペインで、なぜ練習のときにルールや制限をつけるかというと、それがないと勝手にやって勝手にゴールを狙っちゃうからなんです。だから、これはどういう場面でのどういう作業だよと、選手たちに理解させてトレーニグしないとダメなんです。だからこそ、今回はバラバラになったんだと思います。

 イエロという、元スペイン代表主将の有名人がいきなり監督としてきたときに、コーチは喧嘩ができるのか。それはスペイン人でも難しいと思いますし、たとえ意見を言えたとしても、それを受け取って考えるに至る人間性がイエロにあるのかという問題もあります。

 今回は、スペインのことや日本のこと、いろいろなものが見えて、自分にとっては研修の1年間を振り返ることのできる、とても面白い大会でした」

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