W杯のVARや日本について外国人記者が放談!「日本は経験不足」

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by Sano Miki

 フランスの5大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じたロシアW杯。モスクワのルジニキ・スタジアムで行なわれたフランス対クロアチアとの決勝には、世界中のメディアが集まった。はたして各国のジャーナリストの目に、今大会はどう映ったのか。

 イタリアの日刊紙『La Repubblica』のエンリコ・クーロ記者。国内では大会前、イタリアが予選敗退したこともあって、ロシアW杯への関心は著しく低かったというが、終わってみれば、有料テレビが記録的な視聴者数を獲得するなど、おおいに盛り上がったという。

「ピッチ内で目新しい戦術の進化が見られたかといえば、そうではなかった。目立っていたのは、FKやPKによるセットプレーからの得点。それに大会序盤からサプライズ含みのアップセットが多く、小国といわれるチームが守備を固めて、そこで奪ったボールを素早いカウンターにつなげて得点するといったシーンも多かった。その戦い方がいいか悪いかは別にして、それが効果的だったということだ。攻撃ではなく、守備に勝るチームが勝ち残った。

強豪国が次々と敗退し、最後に残ったのがフランスだった photo by Sano Miki強豪国が次々と敗退し、最後に残ったのがフランスだった photo by Sano Miki また、ベスト4にベルギーとクロアチアという優勝経験のない国が2つも入ったという点で、民主的だったともいえる。大会前は誰もクロアチアが決勝に進むとは考えていなかった。終わってみればベルギーとともにクロアチアをベストチームに挙げる声は少なくないはずだ」

 強豪のスペインやアルゼンチンは最後まで調子が上がらず、早々に姿を消すことになった。だが、多くの記者にとってもっとも衝撃だったのは、前回優勝国ドイツのグループリーグ敗退だった。

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