「不自然さ」があったフランスの優勝。
VARの活用に議論の余地あり

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by JMPA

 2012年にフランス代表監督に就任するが、2014年ブラジルW杯はベスト8。自国フランスで開催された2016年のユーロでは決勝に進出した。そこで演じたポルトガルとの戦いも、前半なかば、相手のエース、クリスティアーノ・ロナウドがケガで退場するという、フランスにとってはこれ以上ない幸運に恵まれたにもかかわらず、0-1で沈んだ。

 雷雲の到来で、試合直後のルジニキスタジアムは大雨に見舞われた。デシャンも雨に打たれ、金髪はべっとり濡れていた。地肌が露出する面積が、49歳にしては広すぎることも判明した。苦労のほどが偲ばれるのだった。

 ロシアで披露したサッカーの中身については讃える気は起きないが、これでデシャンが一流監督に昇格したことは事実。監督としてのこれからの活動に注目したい。

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