2018.07.16

「不自然さ」があったフランスの優勝。
VARの活用に議論の余地あり

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by JMPA

 ロシアW杯決勝。フランスは前半を2-1で折り返したが、流れの中から放ったシュートはゼロ。前半38分、アントワーヌ・グリーズマンが蹴ったPKが唯一のシュートだった。前半18分に挙げた先制ゴールも、FKを蹴ったグリーズマンは、シュートではなくクロスボールのつもりだった。リザルトには、それを頭ですらしたマリオ・マンジュキッチのオウンゴールとして記されている。

1998年フランス大会以来、2度目のW杯制覇を成し遂げたフランス そのFKのシーンも、再生画像に目をこらせば、ファウルを犯したとされるマルチェロ・ブロゾビッチはグリーズマンを倒していない。グリーズマンが自分で躓いたようにしか見えない。

 PKのシーンの再生画像は、イヴァン・ペリシッチの手にボールが当たっていることを証明していた。だがこちらの一件は、アルゼンチン人のネストル・ピタナ主審による最初の判定はコーナーキックだった。フランスの選手が抗議し、VARシステムが働いたことで、判定がコーナーから一転、PKに変更されたのだ。

 前半にフランスがマークした2ゴールは、率直に言ってラッキー以外の何ものでもなかった。VARが採用されるのは、ペナルティエリア内に限られるのか。この大会、ここまでにも何度か問題を露呈したこのシステムだが、決勝という大舞台でも再度、物議を醸すことになった。

 シュートはPKの1本。流れの中からはシュートゼロのチームが2-1でリードする展開は、どう見ても不自然と言わざるを得ない。

 ボール支配率は39対61。フランスはゲームをクロアチアにコントロールされた。