ベルギー無双とはならず。豪華攻撃陣はやっぱり諸刃の剣だった (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 とはいえ、対するフランスも、易々とゴールを割らせてはくれなかった。バランスよく守備陣形を整えつつも、虎視眈々と得意のカウンターを狙う。一見、攻めるベルギーと守るフランスの二極構造で試合が進んでいるように見えてはいても、互いが同等に攻撃し合い、同等にチャンスを作り合っていた。

 両チームともに、絶え間なく攻守が切り替わるなかで高い技術を発揮した前半は非常に面白く、あっという間の45分間だった。

 ところが、後半開始早々の51分、CKからDFサミュエル・ウムティティのヘディングシュートが決まり、フランスが先制すると、試合の様相は一変した。

 焦りが見えるベルギーは、雑で単発な攻撃を繰り返すばかりでイージーミスが増加。前線の選手が強引に攻撃を仕掛けるため、全体が間延びして、セカンドボールも拾えなくなった。

ベルギーの攻撃の中心となるアザールだったが...ベルギーの攻撃の中心となるアザールだったが... 焦りを象徴していたのは、攻撃の中心であるはずのアザールだった。無闇にボールを欲しがり、中央に入ってきては、狭いエリアにドリブルで突っ込んでいったり、ワンツーで突破しようとしたりと、強引なプレーばかりが目立つようになった。

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