VARは見た!「ダイバー」ネイマールは世間を敵に回して帰宅 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「勝ち負けというのはプレーの一部だ。しかし、シミュレーションで得をしようとするというのはどうか。子供たちの模範にはならない。少なくとも、自分の子供には」

 ブラジル代表を率いるチッチ監督は、ブラジル国内リーグで、当時サントスにいたネイマールと対戦したとき、はっきりと苦言を呈していた。その振る舞いを問題視していたのだ。

 しかしネイマール自身に、少しも悪びれたところはない。そして、不必要に敗者を挑発してしまう。今回の一件でも、批判に対して「帰った人間たちのたわごと」と言い切っている。当然、これも反発を買う。一介の選手ではないだけに、発言の与えるインパクトは大きい。

 ネイマールは試合中も、ときにその悪辣さを見せる。たとえば、ほぼ負けが決まった相手に対し、また抜きを仕掛けるようなプレーだ。

 それが、2015年のスペイン国王杯決勝では大きな問題になった。ビルバオ戦の終盤、すでに3-1でバルセロナが勝利をほぼ手中にしていたときに、LAMBETTA(ボールを両足で挟み、相手の頭上を浮かして抜けるフェイント)を繰り出した。敗者を嘲笑するかのような行為で、相手を激昂させただけでなく、このときはバルサの監督ルイス・エンリケまでネイマールの行為をたしなめている。

 ネイマールは勝負になると、やり過ぎてしまうところがある。マリーシアに囚われてしまうのだろうか。

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