2018.07.09

VARは見た!「ダイバー」
ネイマールは世間を敵に回して帰宅

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「ネイマールはわざと倒れる"ダイバー"だから。(スペインの)ラ・リーガでプレーしている選手ならみんな知っている。たいしたことないファウルで派手に転ぶ。彼の"プレースタイル"なんだろうけど、審判には公正にジャッジしてほしいよ」

 ベティスでプレーし、メキシコの主将でもあったMFアンドレス・グアルダードは苦々しげに語っている。

 フェアプレーに関して、ネイマールの評判は著しく悪い。

 選手の間で彼をリスペクトする声が乏しい理由は、「一流選手にあるまじき、欺く行為で得をしようとする」というあざとさにある。昨シーズンまでプレーしていたバルセロナでは、相手選手が怒りを募らせる場面が試合ごとにあった(突然、退団を決めてフランスリーグに移籍したのは、そういう自分を理解しない風潮に耐えかねたからだとも、一部で言われている)。

「技術的にはすばらしいが、人間性でメッシには永遠に及ばない」

 それがピッチ内外の評価として定着してしまった。もっとも、ブラジル人としては特別、非難されるようなことはしていないのだろう。

「ネイマールよ、他の国からの批判など気にするな。ゴールするべきときはゴールし、ファウルで倒れるべきときは倒れたらいい。誰もがやっていることだ」

 かつてセレソンで10番をつけたリバウドは、ネイマールにエールを送っている。ブラジルでは、人を欺くことも勝つための手段なのだろう。彼らが好んで使う「マリーシア」だ。

 しかし、世界最高のフットボーラーとして認められるには、それなりの行動規範があるだろう。