自虐キャラになったレバンドフスキ。
吉田麻也も「怖さはなかった」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

 ポーランドは、W杯欧州予選で大暴れした右サイドのウカシュ・ピシュチェク、ヤクブ・ブワシュチコフスキの2人がフィットしていなかった。また、グリクのパートナーも見つからず、GKヴォイチェフ・シュチェスニーは所属クラブのユベントスで出場機会を得られない試合勘の鈍さが出て、守備に不安を抱えていた。それが、2試合で1得点5失点という結果に現れてしまった。

「大会前からチームは問題を抱えていた」

 レバンドフスキは洩らしているが、セネガル戦を取りこぼしたことによって、問題がネガティブな形で露出したのだろう。短期決戦の怖さだ。

 日本戦ではレバンドフスキ自身が一番、虚(うつ)ろだった。誇りをかけて戦う。わかってはいても、タイトルを勝ち取って大金を稼ぐプロフェッショナルとして戦うトッププレーヤーにとって、そのスイッチは入りにくい。

「レバンドフスキに関しては、第2戦を終えてスタメンを言い渡されてから、ブンデスリーガでのプレー集などを見て、研究して臨みました。自分のところにくる感じだったのですが、彼を自由にさせていない。その手応えはあって、いいチャレンジができました」

 ポーランド戦後、槙野智章はその印象を語っている。槙野は健闘していたし、その感想はひとつの真実だろう。ただ、本来のレバンドフスキはもっと力強く、速く、うまいストライカーだ。

「(レバンドフスキだからといって)特に変えていません。(今日の)レバンドフスキはプレーの中では孤立していましたね。ほとんど怖さはなかったです」

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