4得点でもたたかれるC・ロナウド。
今大会は珍しく謙虚なのが不気味...

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFP/AFLO

 今回、攻撃のパートナーを組むリカルド・クアレスマやゴンサロ・ゲデスは、ロナウドが自由にプレーできるように、敵を撹乱する動きができる。とりわけ、スポルティング・リスボン時代の先輩であるクアレスマは、トリッキーなプレーで意表をつく。イラン戦も得意のアウトサイドキックでミドルシュートを叩き込んでいる。

 一方で、ポルトガルの躍進を疑問視する声があるのも事実だ。

「ロナウドの一発で勝つパターンは、凡庸で退屈」

 一部でその戦い方は、好意的に受け入れられてはいない。

「何を言われようとも、我々の目標は試合を勝つことにある。それに、美しいプレーだったかどうかは、君たちの感覚次第だろ?」

 右サイドバックのセドリックはそう言って胸を張る。

「ウルグアイは過去に2度、世界王者になっている。2018年に入ってからは無失点だと聞いた。当然、難しい相手になるというのは弁(わきま)えている。ヘディングでのゴールが多いチームだって? どんな攻め方だろうと、対抗できる自信はあるよ。なにしろ我々も、現役の欧州王者だからね。恐れることはない」

 33歳になるロナウドにとって、4年後のカタールW杯は未知の領域となる。それだけ今大会にかける気持ちは強い。過去3度のW杯では、そのキャリアを考えればほとんどインパクトを残していない。

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