W杯メンバー落選から切り替えた堂安律。その最終目標がデカすぎる! (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― オランダでは独り暮らし?

堂安 はい、独りです。

―― そうなると、日常生活で日本語を使う機会はほとんどないですよね。フローニンゲンは日本人も少ないでしょうし、ホームシックになるのもわかります。

堂安 あれがホームシックなのかはわからないですけど、とにかく最初のころは楽しくない毎日でした。でも、もともと僕の夢はヨーロッパで十何年もプレーすることだったし、「ほんの1~2ヵ月前はあんだけヨーロッパに行きたいと思っていたのに、なんでこんなにビビってんやろ?」って思った自分がいて......。

 そしたら、そのうち自分のなかで「無理やりでも楽しくしよう」という気持ちが勝(まさ)るようになったんです。それで、無理してチームメイトに話しかけて仲良くなろうとしたんですけど、でも最初のころはそれでも全然楽しくならなかったですね。

 ただ、必死に相手のことを知るように努力して、相手にも自分のことを知ってもらうようにした結果、少しずつ状況が変わりました。今ではめちゃくちゃチームメイトと仲良くしていて、日本に帰ってきても向こうから「元気か?」って電話がくるような関係になりました。

―― 入団後、開幕前のキャンプのときからそういう積極的な姿勢だったんですか?

堂安 いや、あの時期に日本の報道で「堂安のコミュニケーション力がすごい」みたいな記事があったみたいですけど、実際、僕は何もしてないんです。ただ、チームメイトから話しかけられているとき、僕がニコニコしていただけなので(笑)。

 でも、今考えると、あのときの僕は逃げていたんだと思います。英語が話せなかったので、話しかけられること自体が嫌で、気を遣われることも嫌だった。だから最初の2~3ヵ月は、本当にアカンかったなって思います。

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