2018.06.22

バルサ風か、カウンター戦術か。
スペインが勝ち進めるのはどっちだ?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by JMPA

 先制には成功したが、その後のスペインはイランの反撃に手を焼いている。

 後半17分にはFKからアズムンに頭で合わせられ、こぼれたボールをサイード・エザトラヒに蹴り込まれた。一度は同点弾に会場が沸いた。しかし、このゴールはVAR判定によってオフサイドが確認され、取り消されることになった。後半37分にはバヒド・アミリがジェラール・ピケをドリブルで抜き去り、クロスを上げている。メフディ・タレミが決定的なヘディンシュートを放ったが、惜しくも外れた。

 決定力の差でスペインが上回った、というのが戦評になるだろうか。

 大会3得点目を決めたジエゴ・コスタには、エースの風格が備わってきた。ボールを呼び込み、ネットに叩き込む。その技術とパワー、迫力は圧巻だ。

「コスタには得点以外にも多くの仕事を要求しているが、それを十分に遂行してくれている。敵選手に囲まれながら、壁になってパスを呼び込み、それを足元に戻す。彼のプレーには満足している」(イエロ監督)

 ただ、スペインはひとつの岐路に立っている。

 過去に世界王者、欧州王者になったときのスペインは、「ティキタカ」と呼ばれるパス戦術中心のチームだった。シャビ・エルナンデスを筆頭に、イニエスタ、セルジ・ブスケッツ、ジョルディ・アルバ、ジェラール・ピケなどが、バルサ色を強く出していた。

 今回も当時の選手が残っている一方、イスコ、ルーカス・バスケス、そしてジエゴ・コスタらの存在感が強くなっている。彼らは個人技でプレーするスタイルで、カウンター戦術で違いを生み出す選手たち。ティキタカとは色合いが異なる。