堂安律がビビりながら監督に迫り、信頼を得たオランダ1年目を振り返る (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― それは英語で?

堂安 はい、片言の英語で。そしたら、当たり前ですけど監督が英語で返してきて、何を言っているのかが全然わからなかったんです(笑)。それで監督に、「通訳を呼ぶから明日まで待ってくれ」って伝えて、次の日にドイツから代理人に来てもらって3人でミーティングをしたんです。そこで、監督が自分に求めていることを理解できたのが大きかったと思います。

 もちろん、もう今では自分で直接監督と話すようになりましたよ。この前も途中で交代させられたときに、その理由を監督に聞きにいきましたし。内心は「言い過ぎて次の試合から外されたらどうしよう」ってビビりながらも、とにかく笑顔を崩さずに話すようにして(笑)。

―― 日本でプレーしているときから、10代のわりにフィジカルがしっかりしているという印象でしたが、実際にオランダでプレーしてみて、その差を感じることはありましたか?

堂安 フィジカルに関しては差を感じなかったです。むしろ、それが自分のストロングになっているくらいです。でも、スピードに関しては感じましたね。もっとキレを出して、スピードをつけなければダメだと思ったので、専門家にアドバイスをもらってスピードをつけるようにがんばっています。

―― 自分自身のターニングポイントになったと考えているのはどの試合ですか?

堂安 やっぱり年明けのヴィレムⅡ戦(1月21日)ですね。あのゴール(シーズン4得点目)で完全に気持ちが乗ったというか、「これはいける!」って思いました。新年早々のゴールでしたし、あれから本当の意味で自信を持ってプレーできるようになりました。

 それまでは試合には出ていましたけど、自分のなかで「こんなプレースタイルじゃなかったよな」って思うこともあったし、本来はもっと仕掛ける選手だったはずなのに、ボールを持つと味方を探してしまう自分がいたりして......。かなり試行錯誤していた半年でした。結局、考えすぎないことが大事だと思うようになって、それからは自分が思うとおりにプレーすることだけを心がけることにしました。

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