2018.06.18

ドイツ撃破のメキシコ。6カ月前から
研究し、王者相手でもビビらない

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 ひたすらパスをつなぎ、ボールポゼッションで圧倒的優位に立ったのはドイツだったが、メキシコは効果的なカウンターを何度も仕掛け、決定機の数で上回った。

 ドイツのヨアヒム・レーヴ監督は、「メキシコはこの2、3年、安定して高いレベルのプレーをしており、質が高いことはわかっていた」と言い、「速い攻守の切り替えで、(カウンターから)前に出てくる」ことも想定していたという。だが、「いつものように効果的なパス攻撃ができず、カウンターを受けて長い距離を戻らなければならなくなった」。わかっていながら、してやられた試合を悔やんだ。

 思ったようにチャンスを作れないドイツは、試合終盤にベテランのFWマリオ・ゴメスを投入し、前線を厚くして勝負に出た。しかし、ここでもメキシコは「マリオ・ゴメスが入ってきたときの準備もしていた」と、オソリオ監督。最後は実質5バックにして中央のDFを増やし、ドイツの攻撃をしのぎ切った。

 オソリオ監督は、「知的に守備的なプレーをし、カウンター攻撃を浴びせた前半は我々が優勢だった。だが、後半はドイツが素晴らしいチームであることを知った」と、反撃に出てきた世界チャンピオンを立ててはいた。だが実際のところ、後半にしても、なりふり構わず前に出てくるドイツをいなすように、カウンターから多くの決定機を作っていたのは、メキシコのほうである。

 殊勲のロサーノは「僕の人生で最高のゴール」と、まずは自身の快挙を喜ぶ一方で、「選手全員がよく走った。この勝利はハードワークの成果だ」と胸を張った。

 鉄壁のドイツ対策と、それを実現するためのハードワーク。スコアこそ最少得点差の1-0だったが、内容的にはメキシコの完勝だった。メキシコにとっては、これがワールドカップでのドイツ戦初勝利。記念すべき1勝である。