2018.06.17

メッシのための滅私奉公も空回り。
高齢アルゼンチンの先行きに暗雲

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 アイスランド。W杯本大会は初出場ながら、前回のユーロ(2016年)では本大会出場を果たし、ベスト8に進出。グループリーグでは優勝国となるポルトガルに引き分け、そして、決勝トーナメント1回戦ではイングランドに2-1で競り勝ち、話題を集めた。その直後にスタートした今回の欧州予選でもその余勢を駆り、クロアチアに先着して1位通過。ウクライナ、トルコという実力国を予選敗退に追い込んでいる。

 人口わずか35万の小国。しかしながら、ただの弱者ではない。開幕戦でロシアに大敗したサウジアラビアのようなヘタな負け方はしない、成熟したチームなのだ。粘り強く、精神的にキレることはない。あるレベルに達していることは、この世界では承認済みなのである。

 モスクワのスパルタクスタジアムで行なわれた一戦。アイスランドがアルゼンチンに対して1-1で引き分けたことに特段、驚きはない。アイスランドの善戦、健闘を新鮮な気持ちで讃えるより、まず言及すべきはアルゼンチンの不甲斐なさだと思う。

アイスランド戦ではたびたび中盤まで下がってきたリオネル・メッシ 前回ブラジルW杯の準優勝チームだ。決勝でドイツと接戦を展開。延長で惜敗している。1978年アルゼンチン大会以来、26年ぶりに南米で開催されたW杯で、その意地とプライドを開催国ブラジルに代わり保った格好だった。

 しかし、チームの平均年齢は本大会出場した32カ国中、28.5歳と最も高く、その瞬間から4年後のロシア大会が心配されていた。案の定、南米予選では大苦戦。監督をホルヘ・サンパオリに代え、最後の最後でようやく出場圏内に滑り込むという、まさに薄氷を踏む戦いを演じた。