ロシアW杯で福田正博が見たいのは、
「9番タイプ」のゲットゴールだ

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 このドイツの他にヨーロッパ勢で上位にきそうなのはフランスだ。DF陣のリーダーとなっていたローラン・コシェルニーがアキレス腱の負傷でメンバーから外れ、SBもやや手薄な印象がある。しかし、CBや中盤は充実していて、攻撃陣はアルゼンチンに引けをとらないタレントが揃っている。

 アントワーヌ・グリーズマン、キリアン・ムバッペ、オリヴィエ・ジルー、トマ・レマル、ウスマン・デンベレ、ナビル・フェキル、フロリアン・トヴァン......。ビッグクラブのレギュラーとしてバリバリ働いている選手たちばかりで、誰を起用するのかを考えるだけで頭が痛くなるほどだ。

 ベルギーにもロメル・ルカク、エデン・アザール、ケヴィン・デ・ブルイネなど錚々(そうそう)たるメンバーがいるが、両国に共通しているのは、その選手たちがチームとして機能するのかということ。その点がドイツとの違いで、彼らが共存できるかどうかにすべてがかかっていると言っていい。

 チームとして機能するという点においては、トッテナムの選手を中心にしたメンバーで挑むイングランドに注目したい。

 イングランドはブラジルW杯も2016年のEUROも、予選を負けなしで通過して高い期待を集めながら、本大会では結果が出なかった。大舞台での弱さを払拭すべく、今大会は伝統の4−4−2ではなく3バックのシステムで臨むことが濃厚だ。

 トッテナム勢がチームの中心となり、そこにマンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドの選手たちが加わる。若くて有望な選手が多いため、2020年のEUROや2022年のカタールW杯を見越した戦いになるだろう。

 ただ、今大会で躍進する可能性も大いにある。ハリー・ケインという絶対的なストライカーが好調を維持して大会を迎えるからだ。EURO2016では期待外れに終わったものの、プレミアリーグでは3シーズン連続で素晴らしい成績を残してきただけに、ロシアW杯では"内弁慶"の評価を覆してほしい。

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