メッシは輝けるか。FIFAより詳しい3人が
W杯グループリーグを分析

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蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.23

 2017-2018シーズンが終わり、いよいよ4年に一度のフットボールの祭典、FIFAワールドカップがロシアで開催される。この企画では、世界トップの魅力、そして観戦術を目利きたちが語り合います。

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。

 今回のテーマは、いよいよ開幕するW杯。開催国ロシアは? 前回グループリーグ敗退のスペインはどうなる? メッシのいるアルゼンチンは? まずはグループリーグA~Dの展望を、海外サッカー通のトリデンテ(スペイン語で三又の槍の意)が分析します。

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倉敷 今回は、いよいよ開幕が迫ったロシアW杯についてグループごとの簡単な展望をしようと思います。まずはグループAです。中山さんはどう見ていますか?

  中山 開催国ロシアにとってすごく有利なグループになっていると思います。ロシアは予選を免除されている影響もありますが、最新のFIFAランキングでも70位と、出場32カ国中最低ランクに位置しています。

倉敷 2010年南アフリカ大会以来となる、開催国のグループリーグ敗退という可能性もありますね。

中山 はい。ただ、組み合わせ自体は最高だと思います。まず今大会の開幕戦となる大事な初戦の相手は、ロシアの次にFIFAランキングが低い順位のサウジアラビア(67位)で、ロシアにとっては最も戦いやすい相手になっています。果たして、これがプーチン大統領の政治力なのかはわかりませんが、開催国に有利な組み合わせであることは間違いないですね(笑)。

 なので、ロシアが初戦で勝ち点3を手にすればグループリーグ突破の可能性は高まると思います。ロシアのライバルはエジプトになると思いますが、そのエジプトの初戦の相手はこのグループの大本命ウルグアイです。しかも、エジプトはエースのモハメド・サラーがリハビリ中で、初戦のウルグアイ戦には間に合わないと言われています。2試合目のロシア対エジプト戦が最大のヤマ場となるでしょう。

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