ジダン監督の電撃辞任に続いて、ロナウドとベイルもレアルを去るのか (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 ベイルとジダン監督の関係は、ずいぶん前にこじれてしまったと言われている。

『タイムズ』紙によると、指揮官は28歳のウイングに守備時のさらなる貢献を求めたが、ベイルは「アタッカーがそんなことをする必要はない」と反論したという。以降、先発の機会が激減していった。決勝後に監督から活躍を讃えられる言葉を受けたかと問われると、「ノー」と言って頭を振った。

 一方のジダン監督は会見で、次のように話した。

「(ベイルのことについては)少し複雑なシチュエーションだ。誰にも自分の意向があり、自分の未来について考えている。だが、最終的にはチームが優先されねばならない。私はそのためにベストを尽くしている。

 確かにもっと多くの出場機会が必要だと感じる選手はいるだろう。けれども、それを決めるのは監督だ。ベイルはCL決勝で大きな違いをつくり、素晴らしいゴールを決めた。それは彼が、より長くプレーすべき選手であることを証明したことになるが......」

 ジダン監督の辞任によって状況は変わるかもしれないが、ベイルの新天地は、マンチェスター・ユナイテッドか古巣トッテナムが有力視されている。英国メディアが伝えたところによると、前者はすでに7000万ポンド(約101憶6100万円)を用意しているが、レアル側は少なくとも2億ポンド(約290憶3200万円)を要求するはずだという。また後者は2013年にベイルをレアルに売却した際、買い戻しのオプションを条件に盛り込んでいたと報じられている。

 一方、クリスティアーノ・ロナウドも移籍をほのめかす発言をした。

 試合直後のピッチ上で、「マドリーでの日々は最高だった」と、別れの準備をしているとも取れるような言葉を口にした。こちらはかねてから契約更新についてフロントと意見が合わず、フロレンティーノ・ペレス会長との不仲説が流れている。ロナウドと彼のエージェントは、リオネル・メッシとネイマールを超える世界最高の待遇を求めているのだという。つまり、こちらはいい条件を引き出すための戦略なのかもしれない。

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