CL決勝を待ちきれない3人が、ジダンとクロップの戦術を夜通し語る (2ページ目)

 とくに今シーズンはジダンにとって本当に苦しい時期があって、ラウンド16のパリ・サンジェルマン戦で敗れたら、いよいよ解任だと言われていました。ところが、パリ戦の勝利をきっかけに、悪い流れが一変。あれだけ裏目に出ていた采配もすべて当たるようになりましたし、CLではユベントス、バイエルンという優勝候補を立て続けに破ったことで、今では解任の噂を完全に消し去っています。

倉敷 エースのクリスティアーノ・ロナウドもシーズンの前半戦の出来は散々でしたね。ただ、以前この鼎談でもお話ししたと思いますが、ロナウドには昨シーズンからシーズン終盤になってコンディションを上げてくるピーキングの傾向が見て取れたので、いずれ調子は上向いてくると見ていました。

中山 倉敷さんが指摘されていたことはよく覚えています。逆に僕は、マドリーの試合を毎試合見ていたこともあって、あそこまで身体が動かないロナウドを見続けて、さすがにもうトップフォームには戻れないのではないかと、かなり懐疑的に見るようになってしまいました。

 ですから、今ではそういう疑いの目でロナウドを見てしまったことを、ものすごく反省しています。やはりロナウドは別次元の選手であって、他のワールドクラスの選手と同じように見てはいけないということを痛感しました。前半戦はリーグ戦4ゴールだったのに、最終的には27試合で26ゴールを記録したわけですから、もうどんな不調に陥っても疑うことはできません(笑)。

倉敷 バロンドールを狙う気持ちが強く続く限り、タイトル獲得のためにコンディションを終盤に向けて上げていく傾向は続きそうですね。

 では、リバプールのユルゲン・クロップ監督の印象もうかがって戦術の話題に移りましょう。クロップにはどんな印象をお持ちですか。

小澤 ジダンよりも、戦術的なバリエーションがあり、意図的に選手をモチベートできる監督だと思います。ただ、クロップがマドリーのようなビッグクラブを率いることができるかという話になると、僕は少し懐疑的に見ています。一流選手を手なずけるという部分では、現在ジダンと同等レベルの監督はそう簡単には見つからないでしょう。

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