マドリー、バイエルンの得点レシピを
欧州サッカーの食通3人が味わう

  • photo by Getty Images

中山 コレンティン・トリッソがバックパスをしたことをうっかり忘れ、最初にボールを手で取りに行ったんでしょう。その直後にそのまま取ったらハンドになると気づいて、足を出したけどもう間に合わなかったという。

 大学受験を受けるつもりで行ったのに、いきなり小学生の算数の問題が出されて、一瞬頭の中が真っ白になったような状況だったのではないでしょうか。バイエルンのGKとしては、お粗末なミスであることは間違いないですね。

小澤 バイエルンは、シュート数やボール支配率など、2試合を通してことごとくデータ上でマドリーを上回っていたにもかかわらず勝てなかった。その点は、厳しい現実として受け止める必要がありますね。第2戦のティアゴに至っては、パス本数が100を超えていますし、内容で勝っていたことは明らかです。ただし、GKのパフォーマンスではマドリーのナバスが圧倒的に勝っていましたが。

倉敷 内容で劣っていても勝負に勝つのがバイエルンというイメージでしたが、まったく逆の傾向になっているわけですね。

 ではセミファイナルで敗れ去ったバイエルンについてまとめましょうか。今季はすでに引退していたハインケス監督が途中就任したことでチームを立て直せましたが、来季はニコ・コヴァチが新監督が就任します。好調を維持するチームのサイクルに影響はあるでしょうか? 

小澤 まだ選手もそれほど高齢化していないので、サイクルは続くとは思います。よほどのことがない限りは、あれだけ選手層が厚いので、当然ブンデスリーガの中では来季も優勝候補筆頭となるでしょう。

 逆に、コヴァチが監督になってどこを変えていくのかという点に興味があります。監督が代わる以上、新監督の色は少なからず出るので。また、どのポジションにもある程度固定された絶対的な主力選手がいる中で、外から新しい戦力を持ってきてすぐに起用するのかどうかという点にも注目したいと思います。

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