サラーは、もはやメッシ級なのか?
サッカー観戦のトリデンテが激論

  • photo by Getty Images

中山 第1戦を終えて個人的に興味深かったのは、試合後の会見でのディ・フランチェスコのコメントでした。彼は「明日、多くの人はシステムの話をするだろう」と話したうえで、「でも、1対1で勝てなければどのシステムでも勝てない。今日はその1対1で相手が上回っていたので、システムの問題ではない」という言い訳ともいえるコメントをしていました。

 もちろん、監督なので簡単に非は認めないとは思いますが、結局、その頑固さみたいなものが4バックに切り替えるタイミングを遅らせたのかもしれませんね。

小澤 同じ3バックでも、その週末(5月6日)にリバプールを破ったチェルシーなどはウイングバックの背後のスペース管理に重点を置いた5バックの守備にして、あえてリバプールにボールを持たせる時間を長くしながらカウンターを狙っていました。

 アグレッシブに出ていく姿勢、哲学は素晴らしいと思いますが、ディ・フランチェスコが次のステージの監督にステップアップするためには、もう少しそういった柔軟性も学ばないと厳しいと思います。

倉敷 では、オリンピコでの第2戦に話を進めます。中山さんはどこにポイントがあったと感じましたか?

中山 まずひとつは、第1戦の反省点を受けて、ローマがシステムを本来の4-3-3に戻したこと。もうひとつは、リバプールが終始受け身でゲームを進めてしまったために、本来の持ち味が発揮できなかったということです。

 リバプールについては、さすがに第1戦で大差をつけていたので、イケイケのサッカーはできないという点は考慮しなければいけませんが、この試合を見て感じたのは、受け身のリバプールはあの3トップを有していても凡庸なチームになってしまうということでした。

 ローマがゴールを積み上げて追い上げられ、結局最後までリズムを取り戻すきっかけをつかめなかったことは、決勝戦に向けてよいサンプルになったのではないでしょうか。

 とはいえ、よい入りをしたローマは、大事な立ち上がりの時間帯でラジャ・ナインゴランのミスパスから先制ゴールを与えてしまったのはいただけませんでした。それを見逃さずにしっかり決めたサディオ・マネもすばらしいと思いますが、後半に追い上げるにせよ、準決勝でこういうミスを犯してしまうと勝つのは難しいですね。

4 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る