柴崎のヘタフェ。そのユースでレギュラーを張る「謎の日本人」の正体 (5ページ目)

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Simei
  • 写真提供●ヘタフェCF

 昨今、日本の若い才能が海外の強豪クラブのユースに入団するというニュースを耳にする機会が増えた。だが、トップチームへの昇格の枠は少なく、今後も越えなければいけない壁は高い。他ならぬ柿沼も、ヘタフェB、トップチームと2つの過程をクリアして初めて、憧れのリーガの舞台に立つことができる。

 高校卒業を待たずして海を渡った柿沼の、独特の感性や強いメンタルは必ずプレーヤーとしての強みとなり、海外で戦う上での競争力となる。そして、柿沼のように若年層から海外での厳しい環境に身を置いた選手たちの経験値が、近い未来の日本サッカー界に必要とされる時が訪れるはずだ。

「上(ヘタフェB)に上がれる可能性ですか......。五分五分だと思いますね。自分ではやれるという手応えはありますが、上のカテゴリーやトップチームのポジションとの兼ね合いもありますし。トップに上がってリーガで活躍するのが第一目標。東京五輪、日本代表を目指すつもりですし、まずは目に見える結果を残すことで周囲を納得させたい。仮にトップに上がれなくても、その時はまた別のリーガのクラブを探して、再度チャレンジをするだけです。大きいことを言うのは簡単ですが、意外と現実的なんですよ。それもスペインで身につけた感覚ですかね」

 ヘタフェの原石は、自信に満ちた笑みを浮かべながらスペインでの飛躍を誓った。

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