岡崎慎司、監督交代の日本代表を語る。「勝つために何をすべきか」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「僕は『つなぎたい』とか、『速く攻めたい』という議論自体がおかしいと思っている。後ろからつないでいくサッカーを、『世界を相手にしたときにやれるか?』といったら、まったく別問題だと思う。ただ、その融合というか。ある程度つないでから、縦に速いサッカーをする。そういうふうに融合していかないと、世界では勝てないと思う。この状況で監督が交代したなら、『どんなスタイルで行くか?』っていう次元の話じゃない。

 まずは監督が選手を選び、その選手の特徴をチームに当てはめて、力を出し切らせるところで世界と戦っていく。そういう意味では、ハリルさんがやってきたことも無駄じゃない。むしろ、ハリルさんの時期は、今までの概念を破壊してくれるという意味で、すごく大きかった。

 今までやってきたことは、間違いなく無駄ではない。勝つためには守る時間も必要だし、守った後に速く攻めることも大事だと思う。そして、たまにボールをつながないと、早く攻める時間帯も出てこない」

 これまで岡崎は、2010年の南アフリカ大会と2014年のブラジル大会、2度のW杯を経験した。ドイツのブンデスリーガで5シーズンにわたって研鑽を積み、2015年に世界中の猛者が集(つど)うプレミアリーグへ移籍。レスター加入1年目には「奇跡のリーグ優勝」の原動力になった。そして今、プレミア挑戦3シーズン目にある。

 W杯の実質的な準備期間が3週間強と、残された時間は少ない。だが、欧州と世界で戦ってきた岡崎は、その限られたなかでも100%の集中で臨むことが大事になると話す。

「『ただ蹴る』『ただつなぐ』という議論はもう遅れているかなと。『すべてをやる』というわけではないけど、タイミングとか、そういうものもプランを緻密に練るというか。

 極端なことを言えば、最初の45分や65分は、ほんとに守って、ラストの20~30分で1点を獲りにいくとか。そういう進め方もあるかもしれない。『W杯は別モノ』と考えるべきだと思うんですよね。あそこには魔物がいると思う。自分たちの理想を掲げても、それをさせてもらえない何かがあるので。

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