ロシアに行きたい久保裕也、ゲントの「応援PK」で不振脱出なるか (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 ファンハーゼブルック監督の久保起用法は「2列目のアタッカー」と明快だった。トップ下、右ウイング、左ウイング、2シャドーの一角......。いずれにしても、久保は持っている力を攻撃に注ぐことができた。

 しかし、昨年10月から指揮を執るファンデルハーゲ監督は、久保を「4-3-3の中盤のひとり」として見ている。戦術そのものも守備にアクセントを置いているので、久保には相手アタッカーを視野に入れ、十分に守りをケアすることが求められている。

 自身のストロングポイントである「ゴールに絡むこと」と、与えられたタスクである「バランス重視の中盤」の折り合いを、久保は見つけられないことがある。その最(さい)たる試合が、エゴをむき出しにして可能性の低いシュートを撃ち続け、守備にも貢献できなかったオイペン戦(1-1)だった。

 2-0で勝ったアンデルレヒト戦後、久保は自身の現状を次のように振り返った。

「(アンデルレヒト戦でスタメンから外れるのは)前日練習でわかってました。今の監督は、完全に『トップ下も中盤』と考えているので、自分は中盤扱い。だから、守備もしっかりしないといけない。今日、(久保に代わってスタメンで)出た(ブレヒト・)デヤーヘレも点を獲っているので、しばらく状況は変わらないと思いますけど、しっかり練習でがんばります」

 これからの2ヵ月間、プレーオフ1(※)でベルギーリーグの優勝を目指す戦いは、参加6チームの選手たちの多くにとってロシア・ワールドカップへとつながっている。久保自身はこの2ヵ月間、どのようなテーマを持って過ごすのだろうか。

※プレーオフ1=レギュラーシーズンの1位から6位までの計6チームで行なわれるホーム&アウェーの総当たり戦。レギュラーシーズンでの勝ち点の半分が持ち点としてスタートし、プレーオフ1終了時にもっとも多い勝ち点のチームが優勝となる。

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