ポーランドも着々。ハリルJ以外は「もう戦術を磨く段階」という事実 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 決勝点に繋がるPKを献上してしまったカミンスキだったが、「今日は負けてしまったけれど、守備のシステムには問題がなかったと思う。続けていくことが大事」と、3バックの手応えを口にした。実際、モーゼズらナイジェリアの個の力を活かした突破には手を焼いたものの、それほど多くのチャンスを許したわけではない。
 
 攻撃でも形は作れていた。エースのレバンドフスキを中心に3枚が前線に並び、そこへボールが入れば複数の選手がボールに絡み、流れるような攻撃を展開する。前線にボールが入らなければ、レバンドフスキが下がってきて組み立てに参加したり、あるいはファーサイドに張ってボールを呼び込んだり、攻撃の組み立てには工夫が見られた。

 ナイジェリアもレバンドフスキには最大限の注意を払っていたが、それでも2つの決定機を許した。

 レバンドフスキにボールが入れば、ナイジェリアの守備陣は厳しく体を寄せて自由にプレーすることを許さなかった。だがポーランドのほうも、エースが厳しいマークにあうのはわかっている。そこで、いったん他の選手にボールを当て、そこからのコンビネーションでレバンドフスキにボールを入れると、ナイジェリアの守備陣は対応し切れなかった。

 攻撃のカギを握っていたのはセンターハーフを務めたグジェゴシュ・クリホビアクだ。背番号10を背負うこの28歳は、攻撃の組み立てでスイッチ役となり、彼から縦パスが入るとポーランドの攻撃は一気にスピードアップした。注意すべきはレバンドフスキだけではない。クリホビアクのパス供給を止めることも、ポーランドと戦う際には重要になるだろう。

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