現地コロンビア番記者がW杯を分析。「今回は日本に楽勝はできない」 (4ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by AP/AFLO

 守備では、ダビンソン・サンチェス(トッテナム)やジェリー・ミナ(バルセロナ)といった若手のすばらしいCBが何人かいる。とくにミナは、フィジカルが強いうえに193センチと背も高く、コロンビアが長年待望していたタイプだ。心配なのはGKダビド・オスピナ(アーセナル)で、予選でもとんでもないミスが何度かあったし、所属クラブでもベンチを温めている状況だ。

 とはいえ、ピッチ上で最も手薄なのはおそらく中盤だ。数少ない頼れる守備的MFはカルロス・サンチェス(エスパニョール)で、レギュラーの筆頭でもあるが、ペケルマンは彼と組ませる選手を見つけられないままだ。

 いろいろな選手を試しはしたが、結局、アベル・アギラール(デポルティボ・カリ)に戻っているところに、コロンビアがどれだけこのポジションに苦労しているかがうかがえる。33歳のアギラールは、コロンビアで低迷するデポルティボ・カリでも出場機会がなくて、ピークをとっくに過ぎた選手だ」

――前回大会と同様、アルゼンチン人のペケルマン監督が指揮していますが、何か変化はありますか?

「ポゼッションをベースにした、流れるような攻撃でみんなを驚かせた4年前のスタイルは、残念ながら失われてしまった。今はより粘り強さや現実的なアプローチが幅を利かせるスタイルに変わり、以前にも増して、スター選手であるハメス・ロドリゲスが試合の流れをチームに持ってきてくれるのをアテにする状況になっている。

 ペケルマン自身は4-2-3-1を好んでいるが、予選を通して、コロンビアは『安定感』や『危なげない』といった言葉とは無縁の状態で、指揮官はFWを2枚に増やすなど、何度もフォーメーションに修正を加えていた。南米予選では40人以上の選手を起用してきたが、いまだに新たなスタイルは確立できていない。

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