現地コロンビア番記者がW杯を分析。
「今回は日本に楽勝はできない」

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by AP/AFLO

 重要なのはその過程で、チームのエースであり、グループHでは数少ない正真正銘のワールドクラスの選手であるロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)の力を最大限に引き出すシステムを見つけたことだ。問題は守備で、欧州予選を首位通過したチームのなかで、ワーストとなる14失点を喫している。

 セネガルにも好調なスピードスター、サディオ・マネ(リバプール)がいる。ほかにも中盤に強さをもたらすイドリッサ・ゲイエ(エバートン)とシェイフ・クヤテ(ウェストハム)、ディフェンスラインを支えるカリドゥ・クリバリ(ナポリ)と、欧州のトップリーグでプレーしている実力者がいる。西アフリカのチームの特徴である空中戦の強さも健在で、セットプレーはかなりの脅威になるはずだ」

――では、現地で長く取材しているコロンビアについては、どんな印象を持っていますか。長所や短所は?

「ブラジル大会のグループリーグで1試合平均3ゴールを挙げたチームにしては不思議なことに、それ以降、コロンビアはずっと得点力不足に苦しんでいる。このスランプには、ラダメル・ファルカオ(モナコ)が十字靭帯を傷めたあとの波乱万丈の2年間が大きく関係しているが、彼に代わったカルロス・バッカ(ビジャレアル)もかなり苦しんでおり、ホセ・ペケルマン監督はいろいろと試したが、他のストライカーは見つからなかった。

 実際、約2年続いた南米予選の期間中、16カ月もFWがゴールを挙げていない時期があったほどだ。アタッキングサードでの問題は、MFハメス・ロドリゲス(バイエルン)が何とかカバーしてきたが、果たしてロシアでもそれがうまくいくか。ファルカオのケガが癒え、調子も戻ってきたのは大きなプラスだが、できあがっているシステムのなかにファルカオをどう落とし込むのかは、ペケルマンの腕の見せどころともいえる。

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