ネイマールに逃げられたら...。PSGは身の丈に合ったクラブに戻る時

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】PSGはどこへ行く?(後編)

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 パリ・サンジェルマン(PSG)のスター選手は、自分がクラブより大きな存在だと思っている節がある(理解できなくもないが)。FWのエディンソン・カバーニは、冬休みから遅れてチームに合流したが、これはビッグクラブでは20年前に消え去った伝統だ。それにPSGのFWは、ほとんど守備をしない。

 PSGで一番のスーパースターであるネイマールは、クラブの移籍市場での方針まで変えさせた。彼がヨーロッパでは二流のリーグに移ったのは、ひとつには金のためだ。PSGはネイマールに、ブラジル人のチームメイトと一緒にプレーするチャンスまで与えた。ネイマールの入団とともに、PSGは彼の親友で34歳になるダニ・アウベスと契約した。

 だが、それでも十分ではなかったようだ。ネイマールはケガをする前、フランスのピッチでふてくされているように見えることが多かった。ここは自分にふさわしいリーグではなかったとでも言いたげに。

ケガのためチームを離脱、レアル・マドリード移籍の噂が絶えないネイマール photo by AFLOケガのためチームを離脱、レアル・マドリード移籍の噂が絶えないネイマール photo by AFLO ネイマールは突っ立ったままパスを受け、特にスピードを上げることもなく相手DFを抜き去ろうとする(それでもけっこう、うまくいく)。だが、いつもレフェリーに文句を言いたそうだったし、周りの「田舎者」たちが自分を壊そうとしていると思っているようだった。

 この夏にネイマールがレアル・マドリードへの移籍を望んでいるという報道も、あながちでたらめではなさそうだ。「なんとか残ってほしいよ」と、PSGのブラジル人センターバック、マルキーニョスはレアル・マドリードに敗れた後に言った。

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