森岡亮太、ベルギーでの成功を語る。辺境からW杯へ、すさまじい出世 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 移籍直後は苦しかった。移籍してから3試合、チームは1分け2敗。森岡自身のプレーもどこかギクシャクしていた。

「きつかったですね。アンデルレヒトに来たばかりで、最初はどうしていいのかわからなかった」

 移籍してきた当初、森岡はベフェレンからブリュッセルに通っていた。道路さえ空いていればクルマで40分ほどの距離だが、朝の渋滞がひどいルートということもあり、時には1時間半もかかることがあったという。ただ、今はブリュッセルに引っ越して、「どんなにかかっても30分」と、日々の移動のストレスは劇的に改善された。

 アンデルレヒトでの1ヵ月半を、森岡はこう振り返る。

「トレーニングの質がものすごく高い。それは、下のチームにはないクオリティです。ただ、最初の勝ててない時期のプレッシャーの受け方も、間違いなく(下位チームとは)別ものだった。そこの違いを日々感じることはありますね」

 こうして森岡は、ベルギーリーグのレギュラーシーズン30試合を駆け抜けた。「ふたケタゴール・ふたケタアシスト」を個人目標に掲げていた森岡はすでに10ゴール・12アシストを記録しており、プレーオフ前にそのノルマは達成している。

「今までのところ、個人的にはよかったですけど、チームとして何かを勝ち取りたいですね。アンデルレヒトとしての目標はもちろん優勝ですし、代表としてはワールドカップで今までにない結果を出したい。そのなかの一員にしっかり入っていきたいです」

『プレーオフ1(※)』ではレギュラーシーズンでの勝ち点の半分が持ち越され、首位クラブ・ブルージュと2位アンデルレヒトとの差は「6」でスタートする。プレーオフでの個人目標を問われた森岡は、「ブルージュを抜いてやるということですね。そこに尽きます」と、あくまでチームの優勝を掲げた。

※プレーオフ1=レギュラーシーズンの1位から6位までの計6チームで行なわれるホーム&アウェーの総当たり戦。レギュラーシーズンでの勝ち点の半分が持ち点としてスタートし、プレーオフ1終了時にもっとも多い勝ち点のチームが優勝となる。

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