岡崎慎司、まだエンジン全開といかず。ハリルの代表選考はどうなる? (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 試合が始まると、岡崎は最前線に陣取るFWジェイミー・バーディーとMFの間のスペースに頻繁に顔を出した。最終ラインの選手がボールを持てば、両手を広げてパスを要求。地元紙『レスター・マーキュリー』が「前線のバーディーと、中盤以下の選手をつなぐリンクプレーをこなした」と評したように、チームを動かす潤滑剤として動き回った。

 そして、クロスボールが入りそうになると、マーカーをかわす仕掛けの動きを入れてゴールを狙いにいく。最大のチャンスは36分に訪れた。左MFのデマライ・グレイがファーサイドにクロスボール。岡崎はマーカーとの空中戦に競り勝ち、ヘディングシュートを枠内に飛ばした。

 しかし、シュートはGKベン・フォスターがキャッチ。55分にもバーディーとのコンビプレーからシュートチャンスを掴みそうになったが、マーカーのブロックに阻まれた。それでも岡崎はこれまでと同じように、チームプレーに徹しながら、ゴールを狙う役割をこなした。

 ただ、1ヵ月以上にわたる戦線離脱の影響は、やはり小さくなかった。試合の1週間前に話を聞いた際には、「感覚的に100%ではない。『何も問題なくやれてる』というよりは、気を遣いながらサッカーしている感じなので。ひざなんで、慌てずにやりたい」と語っていたが、この試合でも要所要所でブレーキを踏みながらのプレーとなった。

 たとえば、45分の場面。センターバックのDFハリー・マグワイアーが速い縦パスを送ると、岡崎のトラップが大きくなってボールロスト。好調時に比べると動きのキレで劣り、普段なら敵を背負った状態からターンして局面打開を図る場面でも、なかなか前を向けなかった。復帰直後の試合で、どうしても「エンジン全開」とはならなかった。

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