南野拓実「自分もピッチに立つ資格はある」。EL16強の決戦に出られず無念 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Kyodo News/Getty Images

 上着を脱ぎ、コーチから指示を受けて出場の準備を整えた南野だったが、ダブールがピッチに戻ってプレーを続けたため、マルコ・ローゼ監督は交代を見送った。その後、ザルツブルクは勝ち越し点を奪ったが、アウェーゴールの関係で2点目を許してはならないという状況は変わらない。相手に退場者が出たが、結局、交代枠を1枚残しながらも南野が出場することはなかった。

 南野はローゼ監督のファーストチョイスではないのが現状だ。2月のリーグ再開後、リーグ戦では出場機会を得ているものの、チームが重視するELリーグでは2試合とも先発から外れた。

 代わりに先発に名を連ねたのが20歳のクサファー・シュラーガーだ。「パフォーマンスは安定していると思うし、守備もしっかりできる」と、南野も評価する。

 ゴールに直結するような動きは多くないが、中盤でしっかりとボールを収めて運び、球際で激しく戦う。実際、U-21オーストリア代表に名を連ねるシュラーガーの公式戦出場時間は南野とあまり変わらないが、ゴール、アシストの数では南野を大きく下回っている。それでもシュラーガーが先発に選ばれていることからも、監督が何を求めているかは明らかだ。

 試合終了後、チームメイトと喜びを分かち合った南野だが、もちろん手放しでは喜んでいなかった。「試合に出られないというのはメチャメチャ悔しいです。自分がピッチに立つ資格はあると思うし、それは証明し続けないといけない」と真情を吐露した。

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