チェルシー戦の注目はパウリーニョ。バルサ「6番」の系譜とは何か (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 ドリームチームはラ・リーガ4連覇を達成しているが、バケーロはMFながら40得点近くを記録している。

「ボールは汗をかかない」

 それが哲学であるバルサは、ボールゲームに没頭するあまりどうしても人の動きが少なくなる。そのなかで、バケーロの動き出しと肉体的インテンシティは特効薬になっていた。いい意味で、停滞しがちなプレーを壊せるのだ。

 パウリーニョはバケーロほどのダイレクトパスのセンスはない。しかし、ボールを前へ持ち運べる推進力を持っている。プレーヤーとしての性格はやや違うが、求められるミッションは同じだろう。ピッチにカオスを持ち込めるのだ。

 バルサでは過去にも、ルイス・エンリケ、エジミウソン、ヤヤ・トゥーレ、セイドゥ・ケイタ、セスク・ファブレガスらが「6番」に近い役割を果たしていた。華やかなテクニックよりも、プレー効率の高さをチームにもたらす、有力なチームプレーヤーだ。

 パウリーニョはそんな「6番」の正当な継承者と言えるだろう。

 ちなみに今シーズンからバルサを率いるエルネスト・バルベルデ監督は、クライフのバルサ監督1年目に攻撃的MFとしてプレーした。当時の戦い方は、今のバルサと共通する点が少なくない。

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