堂安律がオランダでムキムキと体重増、監督にはビシビシともの申す (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 堂安はベンチに向かって歩きながら「自分が代えられたのは、何でやろ......」と考えていた。

「チームに火が入っていないような感じだった。だからこそ自分もイライラしていたが、なんとかチームを変えようと思ってプレーして、それができた自信があった。『いい感じだな』と思っていたので、代えられたのは本当にわからないですね」(フィテッセ戦後の堂安)

 チームバスがフィテッセのホームスタジアム「ヘルレドーム」から175km北のフローニンゲンへ戻る道すがら、ファーバー監督に向かって「自分が代えられたのはなぜか?」と問うた。

「やっぱり高さがほしかったので、トップ下のお前を削って大きい選手(フェルトワイク)を入れた」

 そう答えたファーバー監督に、堂安は「正直に言えば、俺はサイドハーフもできる。だから、俺をピッチに残してサイドハーフにする考えでもよかったと思う。それぐらい、今日の自分はよかったと思う」と訴えた。

 ファーバー監督は「お前の言うこともわかる。しかし、違う戦術でいきたかった」と説明した。

 そして翌日、ファーバー監督が堂安に向かってこう言った。

「英語がうまくなくても、自分の思いを伝えてくれたことはすごくよかった。日本の監督に対してはありえないことだと思うけど、オランダのサッカーやヨーロッパのサッカーでは普通のことだから、これからもどんどん話しかけてきてほしい」

 その言葉に堂安は「評価してもらえた。いい話し合いができた」と感じていた。

 2月8日、フェイエノールト相手に1点ビハインドで迎えた63分、ファーバー監督はやはり高さのあるフェルトワイクを投入して、FWトム・ファン・ウェールトと2トップを組ませた。しかし今回、ベンチに下がったのは、右サイドハーフのMFウリエル・アントゥナだった。

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