ヘタフェ柴崎岳のスタメンに黄信号。
チームの前線2枠にライバル出現

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Getty Images

 ソツなくボランチのポジションでプレーできるファイカル・ファジルや、スピードでミスをカバーできるアマト、右サイドで信頼を勝ち得ているフランシスコ・ポルティージョに比べると、どうしても見劣りしてしまうところがあるのだ。

 攻撃に関していえば、ヘタフェが公開している戦術練習を見ても、このチームはサイドからのクロスが多く、サイドの選手に求められるのは縦への突破力とサイドバックとのコンビネーションだ。それに対して、柴崎はボールをさばき、散らし、ゲームを作ることに優れた選手である。戦術練習を基準として考えた場合、チームがサイドでプレーする選手に求めるキャラクターとは合致しない。

 つまり、柴崎の守備の負担を軽減し、そのタレントを最大に発揮できるポジションとしてボルダラス監督が選んだのが現在のポジションということになる。今季、唯一のゴールであるバルセロナ戦で見せたダイレクトボレーはその理想の形であり、チームが柴崎に最も期待しているものなのだ。

 そこまでボルダラス監督の信頼が厚い柴崎ではあるが、ここ数試合、結果につながるようなプレーを見せることができていない。しかもポジションを争うアンヘルが、ここ3試合でしっかりと結果につながる得点、アシストを記録し、好調をアピールしている。

 さらにチームはこの冬、サイドでもプレーができる大型選手であるフランス人FWロイク・レミーを、今季終了までのレンタル移籍でラス・パルマスから獲得した。柴崎にとっては前線2枠を争う上で大きなライバルの出現となった。

 次節のレガネスとの"マドリード南部ダービー"には、エースのホルへ・モリーナが出場停止から復帰してくる。地元メディアは、「今の調子でいけば2トップはホルへ・モリーナとアンヘルのコンビが濃厚」だとしている。

 はたして日曜日の試合に、柴崎の名前は先発メンバーにあるのだろうか。

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