見たかハリル、香川真司がファインゴール。でも表情が冴えないのは... (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「(相手が)フライブルクというところが、どうしても80パーセント(の力)で、(得点を)取れちゃう部分もある。そういうリズムでやっちゃったのかな、と。そこはギアを上げた守備であったり、そういう戦い方をやらないといけない中で、失点シーンもそうですけど、やはり少しルーズな試合運びとプレッシングがあったのかなと思います」

 もともとドルトムントにあった相手をなめたようなところは、試合序盤の得点で力の差を再確認したことで増幅された。その慢心をフライブルクは見逃さなかった。

「やはりホームなので、絶対勝たなきゃいけない試合でしたし、試合内容を見ても、もっとコントロールしなきゃいけなかった。90分の中で、逆に相手の方がうまくやりたいことをやり続けられたのかな、と。自分たちのリズムというものが、本当に90分を通して生まれなかったのかなと思います」

 決して無理やり厳しい自己評価をしているわけではない。昨年12月にペーター・シュテーガー監督が就任して、リーグ戦で2連勝後、ドイツ杯でバイエルンに敗れて年越し。ところが年が明けてからは3戦連続で引き分けに終わっている。2連勝した頃の、「どんな不細工な戦いでも勝つ」という意識が薄れているのは明らかだ。

「そうですね。やはり勝ち切らないと、そういう自信というものはついてこないと思う。何が何でも勝てるように、というふうにできたら、一個、状況が変わると思う。しっかり勝ち切って、ケガ人も帰ってくる中で、いい方向に進めていければいいと思います」

 移籍騒動の渦中にいるエースのオーバメヤンがこの日は先発したが、ピッチ外のゴタゴタはまだ収束したとは言い切れない。ケガ人も相変わらず多い。フライブルク戦終了時点で5位。首位バイエルンとはなんと勝ち点19差と、もはや追いかけようがないほど引き離されてしまった。再生を誓ったはずのシーズンだが、ドルトムントは迷走中だ。

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