バルサを慌てさせるクラブはあるか?
リーガに詳しすぎる3人が検証

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中山 ゲデスは、パリがベンフィカ(ポルトガル)から昨季の冬に青田買いをした将来有望な選手ですね。彼の母国ポルトガルでは、"クリスティアーノ・ロナウド2世"と呼ばれていて、僕もパリに加入した当初から期待をして見ていました。ただ、パリではなかなか出番がなかったうえ、今季はネイマールも加入してしまった。そこでレンタル移籍となったわけですが、マルセリーノのサッカーにマッチしたこともあって、今季は彼のポテンシャルの高さを証明するプレーを見せている印象があります。

小澤 だからバレンシアニスタは、ネイマールに感謝していますよ(笑)。

 それと、本来はインテリオールで、タイプとしてはテクニシャンのカルロス・ソレールをあえて右サイドに配置して、右でタメが作れるようにしています。センターにはボールをさばくタイプのダニ・パレハと、フィジカル的な強さもあってフィルター役にもなれるジョフレイ・コンドグビアがいて、中盤のバランスが抜群です。そういうなかで、ラ・リーガで最もインテンシティが高く、スピード感があってカウンターも鋭い。見て楽しいサッカーをして、結果も残せているという点は評価に値すると思います。

倉敷 第14節でヘタフェに負けるまで、無敗を続けたのには驚きました。ただ、昨年12月には連敗を喫するなど、少し調子を落としている点が気になります。小澤さんはその原因はどんなところにあると見ていますか?

小澤 ゲデスなど主力にケガ人が出てしまったので、仕方ない部分はあると思います。それと、監督やフロントが「タイトル争いをするのは難しい」「目標はあくまでCL圏内(4位以内)」といった発言をして、自ら目標を下げてしまったので、そういう部分も影響していると思いますね。

 ただ、シーズン前半戦のバレンシアを見ていて感じたのは、ヨーロッパのコンペティションに出場していないこともあり、チームとしてコンディションがとてもよいということでした。昨季のプレミアリーグのチェルシーにもいえますが、1週間しっかり準備をして週末のリーグ戦に臨めば、あれだけ高いクオリティのサッカーを見せられる。今季のバレンシアを見ていると、過密日程が当たり前になりつつある現代のヨーロッパサッカー界に警鐘を鳴らしてくれていると感じますね。

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