ネイマール抜きでも、なぜ今季のバルサは強いのか。あの3人が考えた (5ページ目)

  • photo by Getty Images

倉敷 コウチーニョとバルサは相思相愛の関係だと考えます。リバプールでは突出したスピードを持つマネ、サラー、そして柔軟なターゲットであるフィルミーノを巧みに動かしていたコウチーニョですから、多くのアイデアをバルサにもたらすことが期待できる。たくさんの連係を完成させるために早くメッシに認められることが重要でしょうね。

 ポテンシャルは疑いなし。止める、蹴るの技術はバルサのレベルにある。スペースを見つけられるし密集を苦にしない。バルベルデは代えの効かなかったイニエスタをラ・リーガで休ませながら欧州のコンペティションで上手に起用できるようにもなるでしょう。夏に移籍が噂された時よりも、今の方がバルサにフィットするように感じられますから、ずっと移籍を意識していたんでしょう。ワールドカップへ向けた準備も意識するセレソンですから、浮かれるわけもない。大きな戦力になると思います。

中山 それと、バルサはこの冬にコロンビア代表のジェリー・ミナを獲得して、懸案とされていたセンターバックの駒不足の問題にも手を打ちました。ヨーロッパ初挑戦ではありますが、23歳で代表選手、しかもボール扱いがうまい身長195cmのセンターバックとなれば、将来性も含めて期待できそうです。

 その一方で僕が気になっているのが、今季のバルサが戦力補強に莫大なお金を費やしていることです。開幕前に獲得したウスマン・デンベレに1億500万ユーロ(約136億円)、パウリーニョに4000万ユーロ(約52億円)も使っていながら、今回のコウチーニョにはそのふたりを合わせた以上の金額を投資した。

 ファイナンシャル・フェアプレー(ヨーロッパサッカー連盟が定めるクラブ経営に関する財務ルール)に抵触するかどうかもそうですが、近年のバルサはカンテラ(下部組織)を重視していた以前のポリシーとは違って、銀河系軍団を形成したマドリーがやっていた経営戦略になってきました。

5 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る