大丈夫か、ジダン。マドリディスタより
詳しい3人がレアル不振を憂う

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倉敷 これはまったくの想像ですが、彼は引退後に発表するであろう自分の伝記に、次は何を記すかを気にしているように見えるんです。キャリアを美しくまとめるための輝く業績、語り継がれる試合のために、いつどこにコンディションのピークを持ってくるのかを自分自身で決めているのではないでしょうか? 

 彼ももう若くはありません。メッシと対等に戦える時間は長くはないでしょう。昨シーズンはシーズンの後半戦に調子を上げていますが、筋トレの内容を変えた成果だと語っています。人に見せることも多い上半身を鍛える度合いを少し減らして、その分、走り込みなど下半身のトレーニングに割く時間を増やした、と言うんですね。今季はまだ走り込んでいるようには見えません。クラシコの空振りも気になります。

 もう一度バロンドール受賞を狙うために、チャンピオンズリーグの優勝やワールドカップに照準を合わせていてもおかしくない。ポルトガル代表としてワールドカップを狙うのは、今回が最後のチャンスでしょうからね。ただ、他の選手と比べて野心が見えるロナウドが後半のマドリーを救う可能性もあります。

小澤 僕はロナウドのみならず、カリム・ベンゼマの不振も気になります。今季はまだリーグ戦で2ゴールですからね。エル・クラシコでもスタンドからブーイングを浴びていましたが、精神的にも弱っているようにも見えます。ジダン監督が必死にかばおうとしていますが、かえってそれが逆効果になっているようにも見えます。

倉敷 もうひとつ不振の原因として考えているのは、"小さな集団""連帯"としての強さに陰りが見られることです。例えば左右のアウトサイドで誇ったコンビネーションの約束事などですね。昨年9月末から約1ヵ月半に渡ってダニエル・カルバハルが心膜のウイルス感染で戦列を離れていました。彼の不在の間に左右のサイドバックのバランスが崩れました。マドリーは両サイドバックが共に上がってプレーすることが多いのですが、左にマルセロがいるとしても、右サイドバックがアクラフ・ハキミではまだカルバハルの穴は埋まりません。

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