大丈夫か、ジダン。マドリディスタより詳しい3人がレアル不振を憂う (2ページ目)

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小澤 1試合消化が少ないとはいえ、首位バルセロナとの差は16ポイント(1月8日時点)。実際はそこまでの実力差はないと思いますが、もはやマドリーは完全に優勝争いから脱落してしまいましたね。

倉敷 この凋落ぶりには誰もが驚いています。確かに、ジダン監督が就任した当初は初めてトップチームの指揮を執ることを不安視する声もありましたが、蓋を開けてみればこの2年間で8つのタイトルを獲得しています。誰も成し遂げていなかったチャンピオンズリーグの連覇、更に昨年12月にはこれも史上初となるクラブワールドカップの連覇を達成する強さを誇っていたわけです。

 今季もスーパーカップでバルサに2連勝する立ち上がりを見せたマドリーに一体何が起きているのか? 中山さんはその原因についてどう見ていますか?

中山 今でこそメディアが不振の原因を洗い出すようになってきましたが、当初ははっきりとした原因が語られることはありませんでした。チャンピオンズリーグでは結果を出していましたし、誰もがそのうち復調するだろうと見ていたと思うんです。

 ところが、内容は良くてもゴールが決まらないという現象が続いてしまった。ジダン監督はこの現象を「ボールがゴールに入りたがらない」という言葉を使って、フィニッシュ以外のところに何も問題はないということを表現していました。僕自身も、初めの頃はそれを"言い得て妙"だと感じていました。

 実際、開幕当初のマドリーを見ていて昨季よりも進化している印象を受けていましたし、とにかく攻撃のバリエーションが豊富でした。BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド)が揃わなかった影響で中盤をひし形にした4-4-2にして、中盤の選手が流動的に動いて圧倒的にボールを支配。両サイドバックの位置も高かったし、中盤の底でプレーするカゼミーロさえも攻撃に顔を出す回数が増えていました。文字どおり、見て楽しい超攻撃的サッカーを実践していたわけです。

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