2018.01.10

今の環境は「ある意味ヤバイな、と」
井手口陽介が悩み抜いて海外へ

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

 それに、これまでも日本代表やW杯出場は自分の一番の目標ではなかったから。もちろん、出場チャンスがあるなら出たいし、出ることによって得られることもあるとは思います。さっきも話したように、日本代表に選ばれたからこそ気づけたこともたくさんありますしね。

 でも、海外に飛び出せば、もしかしたら日本代表戦のような"痺れる"戦いや"バチバチした感覚"を、所属チームで毎日のように味わえるかもしれない。そのほうが楽しいだろうなって思ったし、単純に年齢的にも......仮にロシアW杯に出場できなくても、4年後はまだ26歳になる年ですから。自分次第ではチャンスがあるはずだし、この4年間を海外で過ごすことで、もっと楽しくW杯を戦えるかもしれない。それならば、今しかチャレンジできないことを優先したかった」

日本代表で経験するような「痺れる試合」を日々味わいたいという井手口。photo by Sano Miki もっとも"海外"がひと筋縄ではいかない"場所"という自覚はある。リーズへの完全移籍とはいえ、半年間はスペイン2部リーグのクルトゥラル・レオネサへの期限付き移籍となるが、たとえ2部リーグであっても、そのレベル、選手の質を考えれば「簡単に試合に出られるとは思っていない」と井手口は言う。

「新井場さんにも言われたんです。『2部とはいえ、個々のレベルは想像以上に高いし、陽介がすぐにチームの中心になれるほど甘くはない。むしろ、厳しい』って。でも、僕としてはそこがウエルカムだなと。

 ガンバでもトップに上がって、ヤットさん(遠藤保仁)やコンさん(今野泰幸)、ミョウさん(明神智和/長野パルセイロ)に揉(も)まれて、なんとか乗り越えようと必死に戦ってきたように、厳しい状況を乗り越えてこそ、見えてくるものも絶対にある。この先、長く海外でプレーするためにも、まずは半年。スペインでしっかり自分と向き合いたい」