リーガ通3人は考えた。なぜ乾貴士と柴崎岳はスペインで成功したか? (5ページ目)

  • photo by Mutsu Kawamori/AFLO

倉敷 あの小さなエイバルの街にもすっかり馴染んだんじゃないですか?

小澤 ええ。特にエイバルは近郊にあるサン・セバスチャンのような都市部に住んでいる選手も多いのですが、彼はサッカーに集中したいという理由もあって、エイバルの街に住んでいます。街の人々と日常的に接することができるし、声もかけてもらえるという環境選びをしたことも、意外と重要だったと思いますね。

 それと、乾が活躍できるようになったもうひとつの要因として僕が感じているのは、同じバスク地方のビルバオ在住の日本人で、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)プロライセンスまで取得した指導者である岡崎篤さんが1年目に彼の通訳を務めたことですね。

 スペイン語が話せる日本人の方は他にもいますが、その中でスペインのフットボールを理解している人、しかも日本で言うS級ライセンスまで取得して、現地で指導者として活躍している人はそう多くはいません。そういう人が、ラ・リーガ初挑戦となったシーズンに通訳として付いてくれたことは乾にとってすごく幸運だったと思いますし、ピッチ内外で大きな助けになったと思いますね。

倉敷 日本語と、通訳する先の国の言葉の両方の理解があって、なおかつ競技の理解もある人というのは、探してもなかなか見つからないですしね。奇跡的なことだと思います。

中山 これから新たにラ・リーガでプレーする日本人選手も出てくると思いますけど、その国の言葉を覚えるという部分は軽視してほしくないですね。全員とは言いませんが、海外で成功した日本人選手のほとんどは、それなりに言葉の壁をクリアしていますから。

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