2018.01.09

リーガ通3人は考えた。
なぜ乾貴士と柴崎岳はスペインで成功したか?

  • photo by Mutsu Kawamori/AFLO

倉敷 実は、現在乾選手のやっていることは、かつて松井大輔選手がフランスでやっていたこととすごく近いと感じているんです。ポジションや仕掛けるというプレースタイルもそうですが、(日本の)インターナショナルマッチ、特に強豪を相手にした時に必要なことを、いつも松井選手がやってくれていた。そこが、現在の乾選手に重なって見えます。

 所属クラブのエイバルも、松井選手が所属していたル・マンと通じるものがある気がしているんですが、中山さんはどう思いますか?

中山 クラブの規模からしても、確かに似ていますね。乾もドイツ2部のボーフムで海外挑戦を始めましたが、松井が初めて海外でプレーしたのもフランス2部のル・マン。1年でリーグアンに昇格して、そこからル・マンの黄金時代が到来してUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)出場権獲得までもう一歩のところまでいきました。おっしゃる通り、まるで現在のエイバルの状況とそっくりですね(笑)。

小澤 乾については、クラブ選びがいちばんだと思っています。個人的に、日本人選手はスペインの真ん中よりも下の地域、具体的に言うと南部の海沿いのクラブには行かないほうがいいと思っていまして。

 地中海に面した海沿いの街は人々がとても情熱的で、いわゆる「情熱の国スペイン」という一般的なスペインのイメージと合致する地域です。その典型的な地域がアンダルシア地方なわけですが、清武弘嗣がプレーしたセビージャや、同じ町のベティスを見てもらえるとわかると思いますが、ファンがすごく熱狂的な一方で、結果が出ない時はすごく厳しい。評価が1日でコロっと変わってしまうほどプレーするのが難しい地域、町です。

 たとえば、今季からボール保持志向の強いキケ・セティエンを監督に招聘したベティスも、開幕当初は結果も出て調子も良かったんですけど、結果が出なくなった途端に監督解任論が巻き起こりました。そういう難しい地域のクラブでプレーするより、日本人選手はエイバルのような北部の小さな町のクラブが合っている気がします。特にエイバルがあるバスク地方には、日本人やドイツ人に似て本当に真面目な人が多いですし、パイス・バスコ(バスク国)はあらゆる面で"スペインではない"ですから。そういう点で、乾のクラブ選びは大正解だったと。