岡崎慎司の教えを胸に。ドイツ8部から這い上がる日本人選手の思い (5ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by FC Basara Mainz, Nakata Toru

バサラマインツにもドイツ選手が加わるようになってきたバサラマインツにもドイツ選手が加わるようになってきた 今シーズンから、バサラマインツにはセカンドチームができた。「7部リーグになったらセカンドチームかU19チームを持たないとならない。うちにとって育成チームを持つのは現実的でないから、7部リーグに上がるための準備としてセカンドチームを作りました。いずれはスクールも作りたいと思います」と会長の山下は言う。

 チームのレベルが上がるにつれて、バサラマインツには4部リーグや5部リーグでプレーしていたドイツ人選手も加わるようになり、11部リーグ時代から戦ってきた選手たちにとってはレベルがきつくなってきた。ただ、そんな選手たちにもバサラマインツのファミリーとして活躍の場を与えたい――という気持ちを山下は持っている。

 ドイツに限らずヨーロッパは、そこら辺の街クラブでも100年の歴史を持っている。バサラマインツを運営してみて、「1年がこんなに大変だとは思わなかった。100年という歴史は本当にすごい」と実感しつつ、バサラマインツにも100年という歴史を刻んでほしいという夢を持っている。そのために、一緒に戦ってきた仲間を大事にして、トップチームはセカンドチームを応援し、セカンドチームはトップチームを応援するというムード作りをしている。

 また、日本人主体という特異なクラブだけに、地域貢献にも気を配っている。マインツ近隣のアマチュアクラブを招待し、ブレッツェンハイムカップという大会を開催したのもその一環だ。

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