岡崎慎司の教えを胸に。ドイツ8部から這い上がる日本人選手の思い (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by FC Basara Mainz, Nakata Toru

 プレーのかたわら、ブンデスリーガ2部・3部を目指してテストを受けていた秋吉泰佑(現ヴァンラーレ八戸)のサポートをした際に、「こんなにうまい選手でもドイツでプロになれないんだ」と悟り引退を決意。「日本に帰って仕事でも探そう」と考えていたら、山下喬(たかし)会長から誘われてバサラマインツに入団した。だから、日高は自身がステップアップするのではなく、バサラマインツに来た日本人選手たちをサポートする側に回っている。

「この4年間、バサラマインツはトータルで見たら順調に来ていると思います。毎年、何らかの問題は起こるんですよ。1年目は登録ミスで開幕から4試合、試合ができなかった。本来なら不戦敗だったけれど、対戦相手が『それはさすがに可哀想』と試合延期という判断にしてくれた。当時は11人選手を揃えるのも難しく、その辺でボールを蹴ってる少年に声をかけてプレーしてもらっていた」(日高)

 私が10部リーグ時代のバサラマインツを訪ねたとき、「6部リーグのチームはレベルが高いけれど、7部リーグのチームはお金がいい」と移籍先に悩んでいる選手がいた。今の日本人選手は、バサラマインツに入団した時点で8部リーグでプレーできる。よりステップアップ先との距離が縮まったわけだ。

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