バルサ完勝のクラシコ。3人のリーガ達人がマドリーの問題点を斬る (6ページ目)

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倉敷 トピックスとしては、ランチタイムキックオフ、バルサがサンティアゴ・ベルナベウで3連勝した試合、そしてロナウドが空振りをして、メッシは靴が脱げてもアシストをした試合。そういう感じになるんですかね(笑)。

小澤 僕は、クラシコはもっと大きなものと思って構えて今回現地に行ったのですが、意外と淡々としていると感じました。当然それだけの価値はあると思うし、両チームにとってのプライオリティが高いことは間違いありません。それが日常化、標準化されているからこそ、より国際化しようとしているのだと思います。個人的には、様変わりしつつあることを現地で感じることができたクラシコでした。

中山 日本的には21時キックオフで試合を見られたということで、きっと視聴者数も増えて、これをきっかけに両チームのチャンピオンズリーグの戦いぶりに注目する人、後半戦のリーガの行方が気になるようになった人もいると思うんです。結局、今回のクラシコが両チームの前半戦の戦いぶりを象徴する試合になったことでもわかるように、やっぱりサッカーは続けて見ると面白さが倍増する。噛めば噛むほど味が出る試合が増えるわけです。

倉敷 僕はこのままグローバル化が進んでいくとは思っていなくて、いずれ原点回帰はするんだろうとは思っているんですけど、そのタイミングはいつなのかということの興味がありますね。今はそっちのほうに進んでいく過程にあるというところを見守りながら、もっとたくさんのファンを増やしたいと思っているところです。

 次回のクラシコは2018年5月6日(予定)です。ここ2シーズン、バルサはカンプノウで勝てていないので、その試合に勝てば、バルベルデ監督としては"ミッション・コンプリート"ということになるでしょう。その時、どんな試合になるのか楽しみですね。

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左から、中山淳氏、倉敷保雄氏、小澤一郎氏左から、中山淳氏、倉敷保雄氏、小澤一郎氏倉敷保雄(くらしき・やすお)

1961年生まれ、大阪府出身。ラジオ福島アナウンサー、文化放送記者を経て、フリーに。現在はスカパー!やJ SPORTSでサッカー中継の実況として活動中。愛称はポルトガル語で「名手」を意味する「クラッキ」と苗字の倉敷をかけた「クラッキー」。番組司会、CM、ナレーション業務の他にゴジラ作品DVDのオーディオコメンタリーを数多く担当し、ディズニーアニメ研究のテキストも発表している。著作は「ことの次第」(ソル・メディア)など。

中山淳(なかやま・あつし)

1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌の編集部勤務、同誌編集長を経て独立。以降、スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカージャーナリストとしてサッカーおよびスポーツメディアに執筆。また、CS放送のサッカー関連番組に出演し、現在スポナビライブでラ・リーガ中継の解説も務めている。出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行う有限会社アルマンド代表。

小澤一郎(おざわ・いちろう)

1977年生まれ、京都府出身。サッカージャーナリスト。早稲田大学卒業後、社会人経験を経て渡西。バレンシアで5年間活動し、2010年 に帰国。日本とスペインで育成年代の指導経験を持ち、指導者目線の戦術・育成論やインタビューを得意とする。多数の媒体に執筆する傍ら、スポナビライブにてラ・リーガ(スペインリーグ)、スカパー!にてUEFAチャンピオンズリーグなどの試合解説もこなす。これまでに著書7冊、構成書4冊、訳書5冊を刊行。株式会社アレナトーレ所属。

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