バルサ完勝のクラシコ。3人のリーガ達人がマドリーの問題点を斬る (5ページ目)

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中山 そういう点で、バルサのファンはこの勝利を手放しで喜べないんじゃないかという気はしますよね。もちろん一般的には、勝ったからいいじゃないかという話になるかもしれませんけど、やっぱりバルサは美しいサッカーをするから好きという人も多いわけで。そういうバルサ好きの人にとっては、不満が残るクラシコだったと思います。

小澤 確かにペップ時代のような訴求力の高いサッカーではないので、ファンを獲得しにくい構造はあると思います。でも、バルベルデ監督には今のところ満点をつけたいですね。ネイマールを引き抜かれたことも含め、就任直後からフロントの失態を現場レベルでことごとく補っているわけですから。

中山 とにかくバルベルデ監督は勝ち続けるしかない。それがバルサで生き残るための唯一の道だということを、きっと本人もわかっていると思います。

倉敷 監督の明暗がすごく分かれたクラシコになりましたね。

中山 ジダン監督でいえば、つい半年前まで長期政権を約束されていたはずなのに、このクラシコの完敗劇で、一転、先行き不透明な状況になってしまいました。就任してから約2年間でチャンピオンズリーグとクラブワールドカップの連覇も含めて7つのタイトルを手にしているのに、このままだとチャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマンに敗れたら(2018年2月15日、3月7日)、確実に進退問題がクローズアップされるでしょう。

倉敷 今回のクラシコですが、どのように語り継がれる試合だったと思いますか?

小澤 正直、語り継がれるほどのものはなかったのかなと。90分を通してのインテンシティ自体が低かったというのと、特に後半はマドリーのプレッシャー強度が下がってバルサが自由にできたため、前後半でかなり対照的なゲームとなり、なおかつ後半はバルセロナの一方的なゲームになった。来シーズンになったら、みんなが忘れてしまっているかもしれません。

中山 試合自体に"熱さ"が不足していました。ランチタイムキックオフの影響もあったと思いますけど、小澤さんが言うように忘れ去られてもおかしくない試合でしたね。

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